2013年8月31日土曜日

ロゼストオーダーメイドスーツ Vol.22

本日はまたもや英国の伝統的なミルをご紹介致します。
その名は「Tayler & Lodge」。1883年、英国の一大毛織物産地であるハダースフィールドにて創業しました。

創業以来一貫して、丁寧に時間をかけた高級な服地のみを生産しており、トップクラスのミルとして英国やイタリアのテーラー達の間では非常に評価の高い1社です。

1960年頃まではドブクロス織機という低速で時間と手間を掛けて生地を織り上げて行く古来の織機を使い生産が行われていました。この織機で織ると生地が柔らかく弾力性に富んだ仕上がりになります。ドブクロス織機はそのゆっくりとしたスピードから製品向きではない為、1960年代以降は高速の自動織機に徐々に切り替わっていきました。ただ「Tayler & Lodge」では自動織機を使いながらもそれ以前のクオリティ、風合いに拘るために、スピードを約7割まで落として生地の生産を行っています。

また「Tayler & Lodge」では、工場の近くを流れるホルム川という川の水を使い、出来あがった生地を洗います。この川は軟水で生地を洗う事によって、荒くごわついた生地を柔らかく仕上げています。軟水は羊毛を洗っても柔らかい仕上がりになり、ごわつく事はありません。
仕上げに関してもかなりの拘りを持っており昔ながらのペーパープレス、ロンドンシュランクといった技法を現在も行っています。これらの技法は効率が悪く時間がかかりますが、その仕上がりは生地に独特の艶があり「Taylor & Lodge」ならではの魅力となるのです。