2013年8月25日日曜日

ロゼストオーダーメイドスーツ Vol.19

昨日は英国で創業し英国生地を扱うマーチャント「Harrions of Edinburgh」をご紹介しました。
本日は同じマーチャントでもイタリアで創業し、主に英国生地を扱うという稀有な存在である「Eurotex」社をご紹介致します。


1864年、ローマで創業した歴史あるマーチャントです。先に述べたようにこの「Eurotex」社、イタリア経営なのですが扱う生地の約85%が英国生地というスタンスが面白いところです。イタリア企画のデザインを英国の提携ミルに織らせたコレクションがメインですので、英国の質実剛健な素材感なのですが、ファンシーな色目や、ヴィンテージ風の仕上げ等にイタリア的な艶っぽさが垣間見えます。

もう一つ嬉しいポイントは品切れが非常に少なく、長期に渡って在庫としてストックし続けている事。例えばスーツを作って2シーズン後にスペアパンツのみ、あるいはベストのみを作るといった事が可能なんです。地味な事ですが、イタリアの生地メーカーは大半が1~2シーズン毎にコレクションを入れ替えてしまう為、こういったアフターの対応が出来ない事も多いのです。

スーツ素材、ジャケット素材のバランスも良く、また近年ではシーズン性の高いコットンやリネン、コーデュロイ等にも力を入れています。


個人的におススメのコレクションは・・・

「Monna Lisa」
85% Wool x 15% cashmereのジャケットバンチです。
英国趣味のガンクラブチェックやウインドゥペイン、ヘリンボーンやハウンドトゥース等の無地っぽいものまでバリエーション豊かな全45色が揃っており、チェックやストライプを構成している色目がイタリアのフィルターを通った絶妙さ。さすが「Eurotex」と唸るコレクションに仕上がっています。

「Kingston」
310gという秋冬に適したウーステッドフランネルのバンチです。
伝統的な英国生地の風合いを持ちながら、クラシックを少しだけアレンジした配色が多くモダンな柄が揃っています。英国メーカーにもイタリアメーカーにもない「Eurotex」らしいセンスを感じさせるコレクションとなっています。