2013年8月24日土曜日

ロゼストオーダーメイドスーツ Vol.18

本日も引き続き英国の生地をご紹介させて頂きます。本日は英国を代表する老舗マーチャント(生地商)「Harrisons of Edinburgh」です。

マーチャント(生地商)とは生地問屋の事で、基本的に自社工場を持っていません。様々な工場から自社のコレクションに見合うクオリティ、色柄の反物を買い付けたり、工場に発注して織らせたり(いわゆる別注的なイメージ)して、自社のコレクションとして揃えています。

「Harrisons of Edinburgh」はマーチャントとして1863年に創業し、サヴィルロウのテーラーをはじめとする世界中の有名テーラーで必ずといってよいほど取り扱われているブランドです。
「最上級の原毛のみが最高級の服地を作り上げる」という哲学のもと、英国生地らしいしっかりとした打ち込みで織り上げられた生地の数々は、その扱いやすさと仕立て映えの良さ故にテーラーからの評価も大変高いブランドです。
長年取り扱ってきた私の感想は、とにかくハズレの生地がないブランド。細番手でもしっかりとした打ち込みのおかげで仕立て上がりが綺麗ですし、カシミアのコート地のクオリティも素晴らしい。更に他のブランドではもはや作っていない平織りの300gなんていう古き良き英国の香りがする生地を揃えていたり、フランネルバンチには梳毛(Worsted)、紡毛(Woolen)の両方が盛り込まれているなど、服好きの心を揺さぶるマニアックなコレクションというイメージがあります。

そんな「Harrisons of Edinburgh」のお勧め素材は・・・

「Cru Classe」
厳選されたSuper120'sのオーストラリアン・メリノの原毛にカシミアを1%混ぜたスーツ素材。310gという秋冬に最適なウェイトで、しなやかな生地感、上品な艶はこのブランドを代表する王道的なクオリティ。

「Worsted & Woolen Flannel」
打ち込みのしっかりとした英国製のフランネルはこのブランドの真骨頂です。340gのWostedタイプと400gのWoolenタイプがあり、前者は英国気分を気軽に味わえ、後者は昔ながらの英国紳士といったかっちりとしたスタイルが楽しめます。

「Summer cape kid」
南アフリカ産の良質なモヘア、その中でも総生産量の5%にも満たない貴重なサマーキッドモヘアを
60%使用した贅沢な素材です。モヘアならではの光沢感と通気性の良さ、シワになりにくい特性等を兼ね備えながら、硬すぎないソフトな生地感が魅力です。