2013年8月22日木曜日

ロゼストオーダーメイドスーツ Vol.16

取り扱いをしております生地メーカーは先日ご紹介させて頂きました通りですが、本日からはメーカーごとの特徴やお勧めのクオリティをご紹介していきたいと思います。

本日は「Dormeuil」について・・・

1842年にジュールズ・ドーメル(Jules Dormeuil)によって創業された創業170周年を誇る世界最古の生地商。

フランスのエスプリ、エレガンスを吹き込み英国の伝統的なファクトリーで織られるコレクションは、創業以来世界の高級服地のトップに君臨し続けています。

その歴史の中で数々の革新的な生地を開発してきた技術力の高さも特筆モノ。
中でも「Sportex」・「Tonic」は登場以来、現在でも独特の魅力があり、服好き達を魅了し続けています。

またウイメンズの生地を手掛けている事も特徴の一つであり、「シャネル」や「イヴ・サンローラン」等のトップメゾンに服地を供給しています。

英国の伝統的なモノ作りを踏襲しながら、革新的な生地、またウイメンズの長れを感じさせるファンシーな色柄、そして妥協なきクオリティへのこだわりが「Dormeuil」の魅力となっています。

スーツ地として現在の主力商品は「AMADEUS」と名付けられたシリーズです。

仕上げの工程で,くし掛けを丹念に施して短い繊維を落とすコームド仕上げを施すことで得た,艶感のある仕上げが特徴のウール100%。280~310g程度のウェイトですので日本では3シーズン、あるいはあまりへヴィでない秋冬生地としてお勧めできる素材となります。
仕立て映えがする腰のある生地、豊富な色柄のバリエーションで全ての方にお勧めできるクオリティです。

もう一つ「Dormeuil」を語るうえではずせないのはやはり「Sportex」そして「Tonic」です。


「Sportex」は1922年に開発された4プライのスポーツ用ジャケット地。耐久性と快適性が当時の上流階級の人々に絶賛され、特にゴルフ用のジャケットとして多くの偉大なゴルファーに愛されてきました。
その独特の生地感からスーツに仕立ててもほのかにスポーティなリラックス感のある雰囲気が漂い、
イタリアのサルトリアでは定番ともいえる生地の一つとなっています。現行の生地は当時よりも軽く(380g)なっており、ヴィンテージの良さと現代の快適性を兼ね備えた素材へと進化しています。

「Tonic」の登場は1957年。現代では当たり前になっているモヘア高混率の服地は、単純なようで高い技術力を必要とし、ドーメル社が「Tonic」を開発するまで実現出来ませんでした。発売と同時に爆発的なセールスを記録し、一躍高級モヘア生地を世に知らしめることになったのでした。
現行品は現代風にアレンジされ、モヘア30%の混率で復刻された「Tonic 2000」。縦糸にウールとモヘアのブレンド糸を使用し、英国製ならではのしっかりとした打ち込みを持ちながら、大幅な軽量化も図られています。春夏シーズンに是非おススメしたい素材の一つです。


このほかにも様々なクオリティの素材がラインナップされており、当店では常時生地バンチを取り揃えております。