2013年8月17日土曜日

ロゼストオーダーメイドスーツ Vol.13

昨日に引き続いて本日も「体型補正」についての詳細をお話していこうと思います。

今日はジャケット編です。
当店で展開している6つのモデル全ては、縦横のサイズをお客様のお体に合わせる事だけではなく、
昨日お話した「体型補正」まで可能となっています。

これを文章でご説明するのはなかなか難しいのですが、箇条書きに補正可能な箇所を挙げていく事にします。


1、なで肩・いかり肩
なで肩ですと背中の肩甲骨下やバスト脇下にタスキ状のシワが出やすくなります。いかり肩ですと、首の後ろに横ジワ、ラペルの浮き等が生じやすくなります。その方の体つきを見極め、必要量の補正を行います。


2、肩下がり
左右の肩は水平でない方がほとんどです。そのままですとボタンを掛けた時に斜めにシワが入り、背中一面にも微妙なシワが生じます。左右の差を見極め、肩の高さを揃える補正を行います。


3、前肩
人間の体を真上から見ると、肩の先に向かうに従って前にカーブしています。(ハンガーをイメージして頂くとわかりやすいかと思います。)そのカーブとジャケットの設計上のカーブとのズレを補正します。


4、肩甲骨周り
スポーツをされている方に多いのが左右の肩甲骨の出っ張りです。そのままですと背中に横シワが出ますし、左右の出具合が違う事が多い為、片側だけ生地が余って見えたりします。左右の出具合を見極め、出っ張り分の余裕をパターンで補正します。


5、バスト・ウエスト
バストからウエスト回りの肉付きは人それぞれ異なります。例えばお腹側に肉の付いた人と背中側に肉の付いた人では、同じヌード寸法でも前身と後身のバランスを変える必要があります。そのバランスを見極め、前後のパターンの補正を行います。


6、鳩胸
ボディビル体型の方に多く、フロントバストのボリュームの為、ラペルが開き気味になります。ラペルの長さ調整、場合によってはラペル裏でダーツを取る等して、ラペルが収まるように補正します。


7、屈身・反身
横から見た際に猫背気味(屈身)の方はフロントカットが外側に広がりやすく、後ろ丈が跳ね気味になります。また背幅や肩周りの前側のゆとり、首の後ろのフィッティングに注意する必要があります。反対に直立気味(反身)の方はフロントカットが重なりやすく、前丈が跳ね気味になります。バストや肩周りの後ろ側のゆとり、首から肩にかけての横方向のシワに注意する必要があります。サイズゲージをお召し頂いた状態で、それぞれの補正量を見極め、パターンの補正を行います。


8、首回り
首の太さによってジャケットの襟周りの大きさが小さ過ぎたり大き過ぎたりする事があります。小さ過ぎると上襟周りにシワが入ったり着用感が窮屈になります。大き過ぎると首の後ろが浮き上がったり着用感が重く感じます。サイズゲージをお召し頂いた状態で首回りのフィッティングを見極め、上襟の長さを補正します。


9、腕振り
横から見た時の腕を下ろした姿勢も人それぞれ違います。ジャケットの設計上の角度と合っていないと前、後ろにシワが生じます。ジャケットのアームの角度、太さを微調整して真っ直ぐに落ちるように補正します。


以上の9箇所を採寸時に細かくチェックし、「体型補正」を加えていく事で、フィット感が良くシルエットが綺麗、そして着心地の良いジャケットが生まれます。

明日はパンツの「体型補正」に関してご紹介させて頂きます。